まもって守護月天

〜22Century〜

 

 

〜10話(前回とは続いて無いッスよ、マジで)〜

 

 

 

 ――前回のあらすじ。

 

 ダイヤの密売組織から抜け、追われる身となったトニー。彼に迫る銀星会の魔の手を

逃れ、裏路地に身を潜めたトニー。だが、突如彼に突きつけられた銃口。振り返ると、

そこには不敵な笑みを浮かべる親友ジョンの姿が――

 

 

翔「全然違う!!

 

 

太「さて、ルーアンの策略に迂闊にも引っかかった太助君ですが」

翔「ねー、アジパン殺人事件じゃ無かったのかよー。逃亡した殺人鬼シャオはどうなっ

  たんだよー」

太「だってあのハナシだとすっげぇ続きが無理っぽいからさー

翔「いや…そんな普通に返答されても…」

太「じゃぁ何か? 山野辺は『殺人貴VS陰陽師の骨肉

 争う死闘』を見たいってのか?

翔「…うぐぅ…見たいような見たくないような、凄く境界線上のハナシだな、それ…」

 

ル「どーでも良いけどアンタどーやって入ってきたのよ

翔「え…? あっ!? 何時の間に体育器具庫に!?」

太「まるで不思議時空な対応だな――ともかく、ここでは俺vsルーアンの対決だから、

  出て行ってもらおうか」

翔「うにゅー…アタシって、このハナシにはもう出番無いんだろ確か」

太「ああ。冒頭でも出れただけ良かったと思え

翔「に、人気ではアタシの方が上だってのにィ…」

太「フッ…知った事かぁっ!」

 バッと右手を振り翳して(←意味は無い)太助は言い被ると、ルーアン激しく同意ら

しい、後ろでうんうんと頷いている。5位・6位の友情といったところか。

 

翔「チッ…判ったよー。…次は正月話だから、次回で逆転じゃ!

 

“ガラガラガラ”(←開)

“ガラガラガラピシャッ”(←閉)

 

太「地味ーに去っていったな、山野辺の奴」

ル「…で、たー様。さっき『俺vsルーアン』って言ってたけどアタシに勝てるとでも

  思ってる訳?」

太「ハッハッハ! 俺は勝算のある戦いしかしねぇ――お前は、アレだろ? 太陽の下

  でないと通常の10分の1しか強さを発揮できないんだろ――

ル「ブラストエンドォォォッ!!

 

“パキィィィンッ!!”(←ガラスの割れるような効果音)

 

太「ぐっはぁぁっ!?

 

 2メートル程ジャンプし、太助の方にそのまま滑空――両手の光の刃が発生した手刀

のクロスアタックが太助を直撃――右腕、左腕、頭部、胴体と4つに切断される。

 

ル「…私は石像で眠ってた人造人間じゃ無いわよ――ったく」

太「…その割には、必殺技使ったじゃん…」

 

ル「さぁて、それじゃそろそろ頂きますか

太「何を頂くんだ――って、いかにも『アナタを…殺します』ってな感じで

 爪を伸ばすのは止めてくれ

ル「え〜――ってか再生速過ぎよーアンター」

太「主人公だからな」(←それで全て済ます奴)

 そう言って、太助は入り口のドアを振り返る――

太「まぁ良い――ともかく、俺はシャオの元へ助けにいかねーといかんらしいからな――

  …展開からすると、出雲が心配だ――躯を48のパーツに別けられてるかもしれな

  い」

 シャオの貞操とかはまったく問題にしてない――まぁ、襲った所で命が無いのは奴だ

って判ってるだろうしな。

 

太「…おろ? 開かねぇ」

ル「アッハハハ、そうやって逃げられないように、ドアには封印がしてあるのよ」

 

 妙に笑いにくそうな笑いでルーアンが勝ち誇っているのを横目に、太助は制服の内ポ

ケットから謎の水晶玉を取り出した。

太「こういう壁は、この『まほうのたま』で――」

 

 ――次の瞬間、その水晶玉が輝き――体育館倉庫諸共、ドアは爆砕した――

 

 

 

太「がはっ…うーむ、いざないの洞窟の壁用だからな――あの部屋内じゃ威力が強すぎ

  たか。いや失敗失敗」

 

 服に付いた埃を落としながら、太助は立ち上がり、「まだまだ研究の余地があるなー」

と笑いながら校舎に向かった。 …勿論無傷である。

 

 

ル「させるかっ!――ジオ・インパクトォォッ!!!

 

太「へぶぅぅっ!?

 

 突如、直下の重力攻撃に、校庭全体と共に太助も超重量により押し潰される――同じ

く周囲のゴールポストやらベンチやらも同様、平らな鉄屑と化していた。

 

太「ぬぉぉぉ…! 熨されるぅぅっ! 重力攻撃なんてズルイぞー。俺は『風』が使え

  ないってのにー」

 …この状況の場合、使えても無意味だと思うが。

ル「私の能力を甘く見たわね――これでも守護月天の姉なのよ!」

太「だから…」

 

 上からの強力な重力の掛かる中、太助はゆっくりとうつ伏せから上体を僅かに起こす。

そして、必死の形相で膝立ちの態勢までに持ち込む――

 

ル「!? バカなっ! 今の重力は20Gよ!? 50kgの体重なら、1トンなのよ

  !?」

太「くっくっく…人工重力装置で鍛えた俺の身体を嘗めるなぁぁ…!」

 

 不敵な笑みを浮かべ、太助は制服の下に仕込んでいたリストバンドと靴、そしてブレ

ザーを脱ぐ――それらが地面に落下すると同時、ズシリと音と共に地面に減り込んだ。

 

ル「っ! 既に超重量の装備をしていたのか…!」

太「ぐっふっふっふ…これで少しはマシになったぞ」

 

 ドスドスと普通では考えられないような足音を立てつつ、彼は校舎へ向かう。

 

ル「チッ…――やるな地球人!」

 ――ならばそう言うアンタは何処の惑星の人間だ。

 技を止め、彼女は太助の真上数メートルにジャンプ――そのまま、急降下のドロ

ップキック――

 

ル「逃がすかぁっ!」

太「嘗めるなと言っているだろ――」

 

 “むんず”

 

ル「――なっ!?」

 その急降下して来るルーアンの両足を鷲掴みにし、太助はそのまま地面に叩きつける

――

ル「は、ぐっ…」

太「鎮め――半月っ斬!!

 

 ――仰向けに叩きつけられ無防備となったルーアンのボディに太助のかかと落とし

が半月の軌道を描き、彼女の腹部を貫く――

 

 

太「フン…――人間様を甘く見たのが、今回の貴様の敗因だな」

ル「………」(←意識不明)

 

 そう言い残し、太助は校舎を入っていった。

 

 

 

 一方、保健室。

 

出「仕方ないとはいえ、無茶苦茶な展開ですね

シャ「作者の馬鹿さ加減がよく現われてますよねー」

出「そんな事どーでも良いんですけど、ともかく私の戒めを解いてくれませんか?

シャ「あぁ? 聞こえんなぁ…」

 

 …確かに、

出「…嗚呼…、この大きさでは、セリフすら縮小化してしまうのですね…

シャ「フフフ…この『紅珠』に掛かったアナタが愚鈍なのですよ」

 

出「くっ…こうなれば、内部から大出力の衝撃を与えれば――メドローアッ!

シャ「何!?」

 

“カッ!!”

 

シャ「―――」

出「―――」

 

 幾らあの球体の中とは言え、メラ系とヒャド系のエネルギーをスパークさせた攻撃魔

法――何の魔力対策もしてない(してる方が謎だが)保健室が耐えられる筈も無く、1

階のフロアごと爆発する。

 

シャ「ご…ごふっ、まさか、あの大魔道士の技を使うとは…」

 

 一方、使用者の出雲はというと、MP使い果たして瓦礫の下で気絶している。

 

 

太「…おい、お前ら――毎回毎回爆発で済ましてるだろう

 

シャ「あ、太助様ぁ(はぁと)――ぷろっ!?

 重石を外した太助の高速裏拳が近づくシャオの側頭部をクリティカルヒットし、彼女

の躯はそのまま真横に吹っ飛ばされ、ズザーと顔面が瓦礫の地面に引き摺られる。

 

太「今の俺をただの七梨太助だと思うなっ! 今の俺はグレート太助だ!!

シャ「うぁ、カッコ悪っ」

太「黙れ――ちょぃなぁッ!!」

シャ「(速い――!?)ぬっ――!

 一瞬の間に間合いを数メートルから数センチまでに詰め、右上半身の当て身がシャオ

の身体を後ろに飛ばせる――

 

シャ「だが――アナタの様に軽量では、当て身は殆ど効力は無いですよっ!」

太「手前ぇの方が軽量級じゃねぇかっ!」

シャ「所詮は人間、素早いだけでは蚊も同然――堕ちろカトンボ!!

太「ンなヘナチョコ玉に当たるかぁっ!――残像拳!!

 

 シャオの掛け声と共に放たれるメガ粒子砲――それを、太助は残像を発生しつつ次々

と回避してゆく。

 

シャ「何!? 質量のある残像だとっ!?」

太「貰ったぜ――ヘル・アンド――

シャ「逆転チェーストっ!!

 

 ………。

 ……。

 …。

 

太「なっ…!?今のは――」

シャ「ダブルブリザァァァッドォ!!

太「にょわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?

 

 一瞬の奇妙の間――まったく別の場所に移動していたシャオが発した2つの竜巻が太

助を巻き込み、動きを封じ、無防備となる――

 

シャ「必殺!烈風! 正拳突きィィィィィッ!!

太「ろれぷろあっ!?

 

 

 

シャ「フッ…人間風情が、真祖の姫に適うと思ったか」

 

キ「コラコラ、アナタは守護月天であろうが…」

 

 ドサクサ紛れに登場のキリュウだが、彼女は普通に教室で授業をしていた。うむ、マ

ジメである。

 

キ「それにしても、毎度毎度のオチだな。そろそろ読者様も飽きるのでは無いか?」

シャ「フフ…これでこそ壊・月天なのよ。破壊と恐怖と殺戮の世界――

キ「違うだろ――ところで主殿は…?」

シャ「ブルーインパルスですわ♪」

 

 

 

T「あ…あのコは…っ!?」

呼「えーっとね、確か太助君に憑いている悪魔なんだって」

 

シャ「守護月天ですよ☆

“バキィッ!!”

 

呼「ぐはっ…」

 …一瞬腕が伸びたように見えたが――多分気のせいだろう。…ともかく、のパンチ

に呼一郎は真後ろにノックアウト――その光景を見たTAKASIは――

 

T「うぉぉぉぉっ!! 奴だ…奴こそ俺より奴だっ!」

 …感銘を受けていた。

 

キ(…貴殿より強い輩などいくらでもいそうだと思うが)

 

T「お前こそ俺の追い求めていた奴だ――守護月天シャオリン――っ!!!」

 

シャ「五月蝿い」

 

“ぺちっ”

 

 

 まるで自身に集る虫を払うかのように、シャオはTAKASIの躯を吹っ飛ばし、別

校舎の3階の辺りに叩きつけた。

 

 

 

 

 

 

 

太「――うぅむ」

 

 空を飛ぶ太助。時速200kmで地上200メートルを吹っ飛びながら、腕を組んで

あぐらを組み、太助は先程の事を考えていた。

 

太「さっきのは瞬間移動?――いや、あの身体の違和感…まさか時間転移か?」

 

 現在真下には御前崎のキャンプ場が見える――どうやら今回は以前のマスドライバー

より飛距離は伸びてるらしい。

 

太「このままだと愛知の南知多かな――『十一屋』のオムライスは美味いから食ってく

  かなー」

 

 一転、呑気な事を考える――まぁ今の彼にとって落下は、問題の無い事なのだ。

 

太「む――そろそろ落下か――オラッ! 必殺『横受け身』ィィッ!!

 

“ドザァァァァッ!!”(←着地音)

 

 

 

 ………。

 ……。

 …。

 

 ――柔道って凄いですね、と思う瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔「今回はこれで終わりかっ!? こんなやり逃げな終わり方で良いのか!?」

 ――良いんです。

翔「もう原作とは全然違う終わり方だぞ…――つーか、前回見てくれた方々に申し訳無

  いじゃないかー」

 ――そういうのには平謝りするしかないですね。

 

 

〜つづく〜

(…批難、罵倒、何でも来いっ☆(爆))


ハルカの勝手コメント

 は、はやいっ……早すぎるっ!! 

 …え、なにがって? もちろんレイさんの執筆速度ですよ! 

 遅筆を極めたハルカから見ればまさにゴッドハンドとしか言いようがありません!(オイ…)

 もはやなにか別のストーリーになっている気がしますが、まぁ皆さんそんなことは気になさらないでしょう?

 とにかく、楽しくも不可思議なレイさん的月天ワールド、遂に二ケタ台に突入です。

 何かもう色んな意味でギリギリな気もしますが、まぁ何とか大丈夫でしょう(笑)

 

 ………ちなみに、柔道の受け身はホントに役に立ちますよ。覚えておいて損はないです(経験アリ)

 もっとも、太助君のように高々度から高速で激突したらそれどころではないと思いますけどね(笑)

 それでは、レイさんの次作に期待しつつ……

 

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